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【Free!劇場版を見てやっとわかった】松岡凛は何に挫折したのか

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Free!を拗らせ、もはや抱えきれなくなっているオタクがヤバいテンションでひたすら文字を書き殴りますのでご注意ください。

 

このままFree!DF(3期)が進んでいくと、話の展開によってはもしかしてもう二度と書けなくなるかもしれないので、今までずっといつか書きたいと思っていたことを書きます。

※ここから先、完全なる個人の主観120%です。
全然違うよ~って近々公式の手によって明らかになるのかもしれない。
逆にそもそも既に周知の事実なのかもしれない。
けど、こんな松岡凛観だってあるよな、と思いながら自分のために書いておきます。

 

そもそもFree!とは何ぞや、という方はこちらをご参照ください。

df.iwatobi-sc.com


それはタイトルの通りなんだけど、これまで私がずーっとどうもいまいちわからなくて悩んでいたこと。
「凛の夢」、それから「凛の挫折」とはどういうものだったのか。(申し遅れましたが松岡凛推しです。)

正直にいうと、私はFree!1期での凛の自分の夢に対する態度の一貫性のなさ、唐突さや言動のちぐはぐ感が妙に気になっていた。

例えば、小学生の凛は水泳のために留学までするというのに、父親の夢を追いかけるのか?って聞かれたら「わからないよ」って答えたり(じゃあなんで留学?!)、「岩鳶でリレーを泳いだら何かわかりそうな気がするから」と言ってみたり、
「オリンピック選手になるのが夢なんだ」という割にはどこかふわふわとしている。
よくわからないけど何かわかりそうな気がする、みたいな行動原理で、とにかく遙と泳ぎたい一心で転校してきたり、中学生の身でオーストラリアに水泳留学をしてみたり、かなりアグレッシブな行動をとる。

遙や真琴から見た凛は、幼い頃から自分の夢を決めてまっすぐに進んでいく眩しい存在だったようだけど、私には凛の夢は結局自分の中で明確なのかそれとも不明確なのかずっといまいちわからなかった。

それから、留学中のオーストラリアで壁にぶちあたり、一時帰国して遙との勝負に負けたことで決定づけられてしまった凛の挫折。
これについても、確かにつらいことだとは思うけど、あんなに人格やそれまでの情熱や、何もかもを拗らせてしまうほど、水泳自体をやめると言えてしまうほどの事なのか?っていうのがこれまでどうもよくわからなかった。自分より早い選手になんて山ほど出会うだろうし、負けることもあって当然なんじゃないか、なんであんなにすっかりキャラクターまで変わってしまうほど追い詰められてしまったのだろう…。

ただこれは、きっと私にはわからないアスリートの思考、というものなのかもしれない、もしくは思春期特有の悩み方なのかもしれない、と漠然と思っていた。

2016年夏にリオ五輪で連日競泳の試合を見ていた時にも、そんなことを考えていた。

ただこれは、今思うと少なくとも前半の部分についてはちょっと違ったのではないかと思っている。

というか、私が気づいていなかっただけの今さらな話なのかもしれないけど。

きっかけは、TYM京都先行試写で買ったイベントパンフレットを見た時、凛の紹介欄に
「父親を不慮の事故で亡くし母親の都と妹の江を守るため人より早く大人になった」みたいな言葉が書いてあったこと。


「人より早く大人になった…」せつないフレーズだなぁって思いながら、凛が人より早く大人になった部分ってどこだろう、って思わず小学生時代の姿を思い浮かべた。
小学生、中学生時代の凛は、無邪気なのにどこか大人びていて、あのアンバランスさが他の子にはないものすごく危うい魅力になっている。
人より早く大人になった凛、それはまちがいなく、あの年で自分の夢を決めてそれを叶える為に行動している部分なんだろうなと思った。
その時に脳天に雷が落ちた気がした。TM約束の冒頭のシーンが頭の中でいっきによみがえった。
原案ハイスピの時からTVシリーズに至るまで、ずっと抱えてたわずかな違和感やちぐはぐさが解消されて、やっとひとつに繋がったような気持ちになった。

今までも描写されていたのに私が汲めてなかったのかもしれないけど、
凛の夢は大好きなお父さんを事故で失ったことと密接に絡みついてて、
お父さんの様になりたい憧れの気持ちと、それから
お父さんの様にならなければ(そして家族を守らなければ)いけないっていう、激しい痛みと喪失を埋めようとする必死さの両方の側面があったんだ、その二つは切り離せずに存在するんだってこと。

だけど私は今までずっとその前者の憧れの部分しか汲めていなくて、後者の切実さの部分に気づけていなかった。(ここが明確に描かれたのはTM約束だと思う)
凛はまだ小学校低学年くらいの年で幼かったけど、お父さんの代わりに母と妹を自分が守らなければ、自分が強くなって早く大人にならなければ、って考えた。
だからお父さんの様に水泳では一番でなければならないし、小学生の間に岩鳶SCで泳いでリレーで一番をとらなければいけなかったし、リレーを否定されたら激昂して、宗介に「お前と同じチームで泳がないほうがいい」と言われた時にはあんなにショックを受けたんだ。


あんな小さい頃から自分の夢を決めて、それを叶える為の行動に移していたのも、キラキラした前向きなエネルギーや憧れだけではなくて「早く大人にならなければ」「自分がちゃんとして家族を守らなければ」という必死さに裏付けられていたのだと気付いた時に、ものすごく頭を殴られたような気持ちになった。


「オリンピックの選手になりたい」という凛の夢は、松岡凛自身のエゴや意志だけを発端として生まれたのではなくて、自分の前から突然失われてしまったものを埋めようと、幼い子が必死にあがいた結果に形づくられたものなんだとしたら。

高2までの凛は無邪気に自分の為だけに自分のエゴだけで夢に向かって突き進んでいたのではなく、その裏に、家族のためにも早く大人に、父親の様にならなければいけない、っていう気持ちがあったのならば。
そうだとすると、凛が味わった挫折は単に自分の夢を諦めるということ以上の意味合いを持つんだと思った。


だから留学先で挫折した時あんなに折れてしまったし、家にも戻れなかったんだ。

1期の荒れまくってた凛が人より大人なのかというとそうではないけど、それまでがいい子で優等生すぎたんだと思う。
中学生までの凛はたしかに人より早く大人になったんだと思う。
だから中学生までの凛はあんなに言葉にしがたい吸引力がある。眩しくて、ほっておけなくて、思わず心が惹かれてしまうような切実さがある。
(そんな中でも宗介の存在は、凛をただの子供でいさせていてくれたんだなぁって思うと涙出る)


だから中学生時代の凛の挫折は、水泳選手松岡凛としての挫折というよりも人間松岡凛としての挫折に近かったのだと思う。

喪失の悲しみから立ち上がる方法と、お父さん恋しさと、家族を守らなければ、強くならなければ、一番にならなければ、という気持ちと、いろんなものがごちゃまぜに凝り固まって、それを夢と言う名前で呼んだ凛だったから。
お父さんの面影を追いかけながら、その夢を悲しみから立ち上がるためのエネルギーとして支えにしたんだと思う。
まだ7歳だった凛が悲しみから必死に立ち上がるため、家族を守れる自分になるための、杖のようなものだったんじゃないかと思う。
だからこそ、支えにしていたそれが折れた時、自分は一番にはなれない、父の様にはなれないのかもしれないと気付いた時、全部がぐちゃぐちゃになって、凛はもう立ち上がり方、歩き方、がんばり方がわからなくなってしまったのだと思う。

単なる夢に対する挫折というだけじゃなく、生き方がよくわからなくなっちゃったんだと思う。

これまでどうしてもよくわからなくて筋が通らなくてこねくりまわしていたもの全てが一つに繋がったような気がした。
そして凛ちゃんを「紙メンタル」「豆腐メンタル」とかいう言葉でいじってきたことすら後悔した(;v;)ごめんね、凛ちゃん…。


Free!1期のテーマが「遙の成長と凛の救済」である、ということが公式で言われているけど、この「凛の救済」も、単に凛の水泳に対する救済ではなくて、凛の生い立ちそのもの、そして夢の位置づけを正しい場所へ置き直してあげる、いろいろなものが絡まりあって重たくなってしまった夢を、ちゃんと純粋に凛の夢にしてあげるための救済だったんだなと思えて、

 

そんなん、桜も舞うわ!!!!!!(泣)

って心から思った。

 

あの時高校2年生の凛は、怜に促されて、遙、真琴、渚と泳いで、アスリートとしてじゃなくて1人の人間として救われたんだ。
お父さんのことを切り離したとしても、やっぱり凛自身が競泳を好きだということ、
お父さんが泳いだからだけじゃなく凛自身メドレーリレーが好きだということ、
ライバルである遙と競い合うのが楽しくて、一番でなくちゃいけないから、強くならなくちゃいけないからだけじゃなくて、凛自身水泳が好きで、楽しくて、だから水泳を続けてきたんだということ、泳ぐことでしか見られない景色があるから苦しくても泳いできたんだ、ってことをはっきりさせるために1期のメドレーリレーはあった。


だから1期の最終話で、凛は遙に「親父さんの夢、追いかけるんだな」って言われて
「親父の夢じゃねぇ、今は俺の夢だ」って答える。
小学生の時は「わからない」って答えた質問に。
そして遙に「お前はどうなんだよ?」って問いかけるところでストーリーが終わる。

 

あの遙と凛の会話に辿り着くために、1期の道筋はあったんだ、ということが心底腑に落ちた。

お父さんができなかったことを叶えるためでもない、家族を守るためでもない、純粋に自分の夢として競泳の道を追いかけられる様になるまで、というのが凛の1期までの成長であり物語なんだ。「遙の成長と凛の救済」の救済の部分はそこなんだ。
単なる夢に対する挫折からの救済ということじゃなくて、もっと大きい、凛ちゃんの生い立ちに関わる部分、背負いこみすぎた荷物を下ろさせて、夢を純粋に夢にしてあげるところからの救済だったんだ……とんでもなさすぎる……そりゃ桜の花びらも舞い散るよね。

 

オーストラリアでの凛の挫折はアスリートとしての挫折ではなく、自分は(父親みたいには)一番になれない、って感じた人間としての挫折だったんだ…父親のかつての夢をがむしゃらに追いかける事で悲しみから立ち上がった凛が折れてしまった出来事だったんだな、と。


これ、1期終了時点で読みとっていた方は読みとれていたんですよね、きっと…。
私はさっぱりでした。
TM約束の冒頭で、「強くなければいけない」「1番でなければいけない」と泣きながら自分に言い聞かせる凛と、パンフレットの「人よりも早く大人になった」のワードが結びついた時に初めてわかった気がします。

だから、TYM4話で、フリーリレーを泳ぐ凛を見た笹部コーチが「あいつは本当に水泳が好きなんだなぁ」と言うところ、そしてそれをはっとしたような表情で見つめる遙、というシーンがFree!シリーズ全体として繋がっていると思えてものすごく好きです。

 

なので、なのでですね…別で感想は書くけど、


↓↓↓ 3話ちょこっとネタバレあり注意 ↓↓↓

 

DF3話の凛ちゃんが、夏也に虎一さん重ねちゃう事件(!!!)は個人的にはうわわわわ~!!となっていて、えっどう考えるのが正解なの?!っていろいろ深読みしてはメンタルがしんどいです…(笑)

「今は俺の夢だ」という答えは私はとても大切だと思っているので、そこがDFでも繋がっていたら嬉しいなぁ…。

という想いで、それ10行で書けるだろ、って内容を長々と書きました。

 

は~~~~~初めて生きるFree!リアルタイムの夏、相当な試練です。躁鬱がすごいので書き殴らずにいられない(泣)昨日はなんやかんや一睡もできなかったので今日は寝ます…

 

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